産後に腰椎椎間板ヘルニアを発症
産後に坐骨神経痛を患っている方というのは、産前以前より腰が悪いという事があります。
その悪い腰が妊娠でさらに悪くなり、大きな事故にたとえられるくらいの出産という出来事によってギリギリ保っていた、抑えられていたヘルニア症状が表舞台に顔を出すといった感じだと思っています。
ヘルニアについてはこのホームページ上でも何度も書いておりますので、またご参考にして下さい。
ヘルニア治療後も安心!ギックリ腰を予防して快適な生活を送るための完全ガイド
産後の腰椎椎間板ヘルニア解説
産後の腰椎椎間板ヘルニアは、特に育児中のママたちにとって大きな問題です。出産後、体は大きな変化を経験し、特に腰部に負担がかかりやすくなります。以下に、産後に腰椎椎間板ヘルニアが発症する理由について椎間板に直接影響するを説明します。
産後に腰椎椎間板ヘルニアが発症する理由
1. 出産による体の変化
妊娠中、体重が増加し、骨盤や腰椎に大きな負担がかかります。出産時にはさらに大きな力が加わり、腰椎の椎間板にダメージを与えることがあります。
2. 育児による負担
産後、赤ちゃんを抱っこしたり、授乳したりすることで、腰部に負担がかかります。長時間の抱っこや不自然な姿勢での授乳は、腰椎にストレスを与え、特に前かがみで痛みが強くなり、椎間板ヘルニアを引き起こす原因となります。
3. 筋力の低下
妊娠中や産後は、運動不足や筋力の低下が起こりやすくなります。特に、腹筋や背筋の筋力が低下すると、腰椎を支える力が弱まり、椎間板ヘルニアのリスクが高まります。
腰椎椎間板ヘルニア(以下、ヘルニア)は、椎間板の変性により、椎間板の一部(髄核)が背骨の外側に突出し、神経を圧迫する病態です。この状態が坐骨神経を刺激し、坐骨神経痛を引き起こします。ここでは、ヘルニアのメカニズム、症状、診断、治療、予防について医療的な説明を簡潔に記していきます。
椎間板の構造と役割
◎構造
椎間板は脊柱を構成する椎骨間に存在する軟骨組織で、外側の「線維輪」と内側の「髄核」から成り立っています。線維輪は複数の層から成る強靭な繊維組織で、椎間板を取り囲み、髄核を保護しています。髄核はゲル状の物質で、椎間板にかかる衝撃を吸収する役割を持っています。
◎役割
椎間板は、脊柱の柔軟性と安定性を提供し、日常生活での動作や体重を支える役割を果たしています。衝撃を吸収し、脊柱の可動性を確保するため、正常な椎間板は健康な脊柱機能にとって不可欠です。
ヘルニアの発生
◎メカニズム
加齢や物理的なストレスにより、線維輪が破れ、髄核が突出することがあります。これにより、隣接する神経根が圧迫され、炎症を引き起こします。特に、腰椎のL4-L5またはL5-S1のレベルで発生することが多いです。
発生要因
◎加齢
椎間板の水分含有量が減少し、弾力性が失われることで、破れやすくなります。
◎過度のストレス
重いものを持ち上げる、長時間の座位姿勢、繰り返しの腰部への負荷などが椎間板にストレスを与えます。
◎遺伝的要因
遺伝的な要因により、椎間板が弱く、ヘルニアになりやすい人もいます。
坐骨神経痛の発生
◎神経圧迫のメカニズム
腰椎から分岐する神経根は、坐骨神経に連結しています。坐骨神経は、腰椎のL4からS3までの神経根が集まって形成され、骨盤から大腿、下腿、足に至る長い神経です。ヘルニアによる神経根の圧迫が坐骨神経に伝わることで、坐骨神経痛が引き起こされます。
症状の進展
急性期: 鋭い痛み、しびれ、筋力低下が主な症状です。痛みは、臀部から大腿後部、下腿外側、足先まで広がることがあります。
◎慢性期
持続的な鈍い痛み、日常生活における動作の制限、慢性的な筋力低下が見られます。
医療での診断
◎病歴聴取
患者の症状、発症時期、痛みの部位、痛みの増減要因について聴取します。
◎画像診断
MRI
椎間板の状態や神経根の圧迫の程度を詳細に評価します。
CT
骨構造や椎間板の変性を評価します。
X線
骨の形態や配列を確認し、他の病変を排除します。
神経学的検査
筋力、感覚、反射の評価を行い、神経根の圧迫による影響を確認します。
治療
◎保存療法
薬物療法
鎮痛剤、筋弛緩剤、抗炎症薬を使用して痛みと炎症を抑えます。
◎理学療法
ストレッチ、筋力強化運動、姿勢指導を行い、脊柱の安定性を向上させます。
◎生活習慣の改善
体重管理、正しい姿勢の維持、適度な運動が重要です。
◎手術療法
保存療法が効果を示さない場合、以下の手術が検討されます。
椎間板摘出術
損傷した椎間板の一部または全体を摘出します。
椎弓切除術
神経根の圧迫を緩和するために、椎骨の一部を切除します。
予防とリハビリ
◎予防
正しい姿勢の維持
長時間の座位姿勢を避け、適度に姿勢を変えることが重要です。
適切なエクササイズ
腰部の筋力を強化し、柔軟性を向上させる運動を行います。
体重管理
適正体重を維持することで、腰椎への負担を軽減します。
リハビリテーション
ストレッチ: 腰部や下肢の筋肉を柔軟に保つためのストレッチを行います。
筋力強化
腰部と腹部の筋肉を鍛えることで、脊柱の安定性を高めます。
姿勢指導
正しい姿勢を維持するための指導を行い、再発を防ぎます。
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