腰椎すべり症の治療について | 岡山済生会総合病院 / 岡山済生会外来センター病院
※腰椎すべり症は、指での触診によってある程度の特徴を把握することが可能で、腰椎の突出や段差を感じることができる場合があります。しかし、確定診断には画像検査が必要です。触診は補助的な手法として役立ちますが、X線やMRIなどの検査を通じて、すべりの程度や神経の圧迫状態を詳しく確認することが重要です。
産後骨盤矯正でご来院のママで、稀ですが、通常よりも背骨の一部が前後に動いている方がいます。
言い方を変えれば、骨が少し出ているか沈んでいるか。
服を着ていたら分かるわけがない事ですし、たとえ裸でも見た目ではほとんどわからないくらいの差ですから、例えそうであっても本人はその事はわからないですし、特に痛みや違和感を感じていないのであれば、気にもならない事です。
しかし、その状態が少しでも行き過ぎてしまったり、時間の経過とともに何か症状を引き起こしてしまったらどうなるでしょうか。
腰椎すべり症の原因
腰椎すべり症は、腰椎(腰の骨)が正常な位置から前方または後方にずれてしまう状態を指します。この状態が腰痛や神経症状を引き起こす原因となります。すべり症の原因はさまざまで、大きく以下のように分類できます。
加齢や変性
●変性すべり症
年齢とともに椎間板や椎間関節(腰椎を安定させる部分)が劣化し、腰椎が不安定になり前方に滑ることがあります。
・主に中高年以降の女性に多い。
・長期間の負荷や姿勢不良も影響。
先天性または発育不全
●脊椎分離すべり症
生まれつき、または成長期に腰椎の椎弓(骨の一部)が完全に癒合しない状態(脊椎分離)があり、それが原因で滑ることがあります。
・主に若年層やスポーツを頻繁に行う人に多い。
・特に体をひねる・反らす動作を繰り返す運動(体操、野球、バレーボールなど)が影響。
外傷
●外傷性すべり症
交通事故や転倒など、大きな力が腰椎にかかり、椎骨がずれることがあります。
疾患によるもの
●病的すべり症
腫瘍や骨粗鬆症、関節リウマチなど、骨や関節を弱める疾患が原因で起こることがあります。
産後ママのすべり症リスク
●産後のホルモン変化
・産後のホルモン変化により、靭帯が緩みやすくなり、腰椎の安定性が低下することがあります。
・特に産後しばらくは、骨盤周りの筋肉や靭帯が元の状態に戻る過程で腰椎に負担がかかることがあります。
●抱っこや育児による負荷
・赤ちゃんを抱っこすることや育児での反復的で尚且つ不適切な動作が腰椎に負担をかけ、元々腰の弱い方や体質的な事が加われば更にすべり症のリスクを高めることがあります。
腰椎すべり症の主な症状
●腰痛
腰椎が前後にずれることで、筋肉や靭帯に負担がかかり痛みを引き起こします。
特に長時間の立位や前屈動作で痛みが増すことがあります。
●下肢のしびれや痛み
神経根の圧迫により、臀部から太もも、ふくらはぎ、足にかけてしびれや放散痛が生じることがあります。
坐骨神経痛に似た症状を呈することが多いです。
●体幹のだるさや疲労感
背骨の安定性が低下することで、筋肉が過剰に緊張しやすくなり、だるさや疲労感が現れることがあります。
●動作時の違和感や不安定感
立ち上がる、歩く、体をひねるなどの動作で腰部に不安定感や引っかかり感を感じることがあります。
●間欠性跛行(かんけつせいはこう)
歩行中に下肢のしびれや痛みが強くなり、立ち止まると軽減する症状。特に神経性間欠性跛行が典型です。
●腰椎の硬直感
腰椎の動きが制限され、前屈や後屈がしづらい、または痛みを伴うことがあります。
●骨盤や腰椎の歪みによる体の左右差
体が傾いたり、左右の筋肉の緊張バランスが崩れることがあります。
●尿や便の障害
神経の圧迫が進行した場合、膀胱や直腸の機能に影響が出ることもあります。
骨盤矯正での腰椎すべり症への対応
骨盤矯正での腰椎すべり症への対応ですが、すでに腰椎すべり症になったものを直すのは非常に困難です。
ですからすべり症にならないように骨盤矯正とそれ以上悪化しないようにセルフケアをご指導致します。
もしすでにすべり症になっており、痛みなどがある場合はまずは病院で適切な治療の上、併用して骨盤矯正をご利用頂ければ思います。
これは病院では根治療法を行わずに対処療法しか行わないケースが多々あるからです。
腰椎すべり症での間違い
腰椎すべり症のほとんどは前方すべりによる症状ですが、後方にすべっているケースもあります。
ですから、YouTubeなどの動画や検索して出てきた情報を自分の状態がどっちなのか分からずに実施した場合は、すべり症が悪化します。
大体の人は3日坊主で運動はやめてしまうのでそれほど悪化はしないかもしれませんが、中には真面目に続ける人もいると思いますので、もしそうなったら危険なことです。
ほしみぐさがおススメするセルフケア
色々の運動を書いても長続きしませんので簡単で効果的なケアを抜粋して記します。
前方にすべっている場合
この場合のセルフケアは、脊柱管狭窄症タイプと同じと考えます。
・腹筋運動
・ヘソを床に押し付ける
・膝を抱えて丸くなる
各20秒~30秒 数回
後ろ方にすべっている場合
この場合のセルフケアは、ヘルニアタイプと同じと考えます。
・常に腰を立てる。
・マッケンジー体操
・椅子に座って膝を浮かせて抵抗運動
各20秒~30秒 数回
まとめー産後骨盤矯正ですべり症を予防
セルフケアについてはまだやってほしいものはありますが、ここに書いてあることを毎日するだけでも、相当の効果はあります。騙されたと思ってまずは2週間続けて下さい。よくなってきたら育児中はずっと続けて下さい。
痛い腰を我慢して赤ちゃんを育てるなんてことは私が許しません(笑)
みんなニコニコ過ごしましょう グッ(๑•̀ㅂ•́)و✧
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