
交わされなかった約束

-結婚-
それは人生における最大の決断の一つ。特に女性にとって、それは人生の大きな転換期であり、新たなスタートを切る瞬間です。
実家で大切に育てられ、守られてきた娘が、愛する人のもとへと旅立つ。その時、両親はどんな気持ちで娘を送り出すのでしょうか。
「どうか娘を幸せにしてください」そう願いながら、未来への期待と不安を抱えているに違いありません。
「〇〇さんを幸せにします。よろしくお願いします。」
普通なら、新郎は花嫁の両親にそう伝えるべきでしょう。それは感謝の気持ちであり、これまで大事に育てられた娘さんを大切にするという誓いの言葉でもあるはずです。
しかし、私の夫は違いました。
「結婚するので・・・」
彼はただ、そう言っただけでした。まるで事務的な報告をするかのように、熱意の無い感情のこもらない言葉で。
その時、胸の奥に小さな違和感を感じました。まるで心に小さな棘が刺さったような、そんな感覚でした。
でも、私は彼を愛していました。彼を信じたいという気持ちが、その小さな違和感を打ち消しました。「きっと彼は照れているだけだ、結婚すれば彼は変わるだろう。」そう思うようにしました。
夫という肩書きの男

結婚生活は、私が想像していたものとは大きくかけ離れていました。
彼は「夫」という肩書きを持つ男でしたが、その実態はただの同居人でした。相手の親も多分その程度しか考えていない。
私は彼の食事を作り、洗濯をし、家を整えました。それは妻として当然のことだと思っていました。
でも、彼は「ありがとう」の一言も言ってくれませんでした。まるで私が家政婦であるかのように、彼は私の存在、心を込めて頑張っていることも当たり前のように思っていました。
それでも私は、「いつか彼は変わってくれる」と信じていました。彼の優しさを信じたかったのです。
そして、子供が生まれました。
小さな命が誕生した時、私は感動で涙が止まりませんでした。母親になった喜びと、これから始まる新しい生活への期待で胸がいっぱいでした。
しかし、夫は父親になったにも関わらず、何も変わりませんでした。
夜泣きで何度も起きるのは私。オムツを替えるのも私。お風呂に入れるのも、ミルクを作るのも、すべて私。
彼はただ、スマホを眺めながら「疲れた」と呟くだけでした。
たしかに仕事は夜6時で終わることはなく遅く帰ってくるのですが、それは結婚している男性ならみな同じではないのでしょうか。それもひっくるめて結婚する、子供を養っていくということではないのでしょうか。
子供が生まれたことで、彼の態度が変わることを期待していた私は、深く失望しました。
母として、戦うしかない
「俺、もうこれ以上頑張れないから、お前働いてくれ」
ある日、彼は私にそう言いました。
その言葉を聞いた瞬間、私の心の中で何かが音を立てて崩れ落ちました。
私は今、一歳になったばかりの子供を育てています。この子のためにと思い色々なサークルにも参加し、寝不足でふらふらになりながら、子供の命を守るために必死で生きています。
それなのに――
「働け」?
私は言葉を失いました。彼の身勝手さに、彼の無責任さに、ただただ呆れるしかありませんでした。
彼は家族を養う責任を放棄し、私にすべてを押し付けようとしていました。
夫としての誇りも、父親としての覚悟も、彼には何もありませんでした。ただ「自分が楽になりたい」その一心だったのです。
私は、元々働いていましたので働く事はできるし、働く気もあるのです。
ある程度落ち着けば働くつもりでいたのですが、その理由が「もう頑張れない・・・!?」
子供はこれから大きくなっていく、まだ始まったばかりなのにもうやる気がない?
母は強くなるしかない
その時、私は悟りました。
「私はもう、彼に何も期待してはいけない」
期待するから苦しくなる。信じるから裏切られる。だったら、初めから「いないもの」と思った方がいい。
私は母親になりました。子供を守るためなら、どんな苦労も耐えられる。彼が助けてくれなくても、生きていく。
「お母さんは、あなたを絶対に守るからね」
子供を抱きしめながら、心の中でそう誓いました。
夫に頼ることはもうありません。彼が何を言おうと、何をしようと関係ない。私が守るべきなのは、この小さな命だけなのですから。
それでも私は前を向く

結婚とは、支え合うものだと思っていました。苦楽を共にし、困難を乗り越えていくものだと信じていました。
でも、彼はただ「楽な道」を選びたかっただけでした。責任を放棄し、自分だけが幸せになろうとしたのです。
そんな男を選んでしまったのは、私の見る目がなかったからでしょう。これが唯一の過ちだったのかもしれません。
でも、私は負けません。
彼が夫としての役割を果たさなくても、私は母親として生きていく。たとえこの道が険しくても、私は歩き続ける。
なぜなら、私には「守るべき存在」があるから。
そして、いつか――
「こんな男と結婚して後悔してない?」
もし誰かにそう聞かれたら、私は笑ってこう言うでしょう。
「後悔?してる暇なんてないわ。私は、前を向いて生きるだけよ」
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夫という名の他人。
それでも、母は強くなる。
いかがでしたでしょうか?
このブログ記事が、同じような境遇にいる方々の共感を呼び、少しでも勇気を与えられることを願っています。
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